- 受講者の声
- 2026.2.17
「まだ変われる」20年の経験を武器に、未経験の領域へ挑む
グーグル合同会社
片倉 陽子 様

事務局
本日はありがとうございます。まずは簡単に、片倉さんご自身についてご紹介いただけますか。
片倉
はい。現在は グーグル合同会社 にて、YouTubeにおける医療・健康分野におけるパートナーシップを担当しています。
これまで20年以上、医療機器や製薬分野でマーケティングに携わってきました。特に医療機器では内視鏡、麻酔、救急関連のディスポーザブルデバイスなど、さまざまな製品や領域に関わってきました。完成した製品を市場に届ける仕事が中心でしたが、その過程で「もっと早い段階で関われたら違う結果になったのでは」と感じる場面も多く経験してきました。
事務局
そのようなご経歴を踏まえて、このプログラム全体を振り返ると、どのような時間だったと感じていますか。

片倉
率直に言うと、思っていた以上にコミットメントが求められました。
単に知識を学ぶというよりも、自分自身がどれだけ本気で向き合えるかを常に問われている感覚がありました。正直に言えば、時間的にも精神的にも大変でしたが、その分、逃げずに取り組めば必ず何かが残るプログラムだったと思います。
中間発表を通じて、参加者それぞれが自分なりの問いを持ち、それを必死に言葉にしようとしている姿が印象的でしたし、チームとしての完成度も回を追うごとに高まっていったと感じました。
事務局
多様なバックグラウンドの参加者が一緒に学ぶ点も、このプログラムの大きな特徴でした。
片倉
そこは本当に大きかったです。
医師の方と仕事をする機会はこれまでもありましたが、ここまでフラットに、しかもアイデアがまだ固まっていない段階から、思考のプロセスそのものを共有する経験はほとんどありませんでした。
臨床領域も違えば、専門用語や前提条件も違う。その中で、自分の考えをどう噛み砕いて伝えるか、相手が何を大事にしているのかを理解しながら話す必要がありました。
結果として、「伝える力」だけでなく、「聞く姿勢」や「問いの立て方」も自然と鍛えられたように思います。
事務局
このタイミングで参加された背景についても、改めて伺えますか。
片倉
20年以上マーケティングの仕事を続けてきて、ある意味では自分の専門性や立ち位置が固まりつつある一方で、「この先、同じ延長線だけでいいのだろうか」という問いが常に頭のどこかにありました。
完成した製品を見て評価する立場だからこそ、「もっと上流でこの視点が入っていれば」「本当の価値は別のところにあるのでは」と思うことが多々ありました。
そうした違和感を、自分の中で整理するだけでなく、実際に行動として試せる場を探していたときに、このプログラムに出会いました。
事務局
実際に参加してみて、「コミュニティで学ぶ」という点はいかがでしたか。
片倉
座学で知識を受け取る学びとは、全く質が違いました。
バックグラウンドが異なる人たちが集まることで、「自分にとって当たり前」だった考え方が、必ずしも当たり前ではないと気づかされます。
自分の考えを整理し、言葉にし、相手の反応を受けてまた考え直す。その繰り返しが学びになっていました。
また、実際のステークホルダーに近い視点からのフィードバックをもらえることで、「机上の空論ではない」という緊張感が常にありました。
事務局
キャリア、特にリスキリングという観点では、どのような気づきがありましたか。
片倉
私たちの世代は、これまで積み上げてきた経験だけでは通用しなくなる局面に入っていると強く感じています。
雇用は長期化し、肩書きや役職がそのまま価値を保証してくれる時代ではありません。
若い世代や異なる業種、立場の方と同じ場で学び、全く異なる分野の考え方に触れることで、「経験を活かすチャンスはある」「自分はまだ学べる」「まだ変われる」と実感できたことは、個人的にとても大きな収穫でした。
事務局
BMCや市場分析など、プロセス面についてはいかがでしたか。
片倉
マーケティングの立場から見ると馴染みのあるフレームワークですが、「自分自身のアイデア」を題材にすると、難易度も緊張感も全く違いました。
会社では、ある程度前提条件が整った課題に取り組みますが、ここでは前提そのものを問い直す必要がありました。
率直なフィードバックを受けることで、自分の思考の癖や弱点にも気づかされ、仕事への向き合い方を見直すきっかけになりました。
事務局
今回、AIを使って実際にソフトウェアを開発した経験についても触れていただけますか。
片倉
とても印象深い経験でした。
AIの進化を頭では理解していたつもりでしたが、エンジニアバックグラウンドのない私が、実際にAIツールを用いてチャットボットを作成しましたが、「ここまでできるのか」と驚きました。同時に、多くの仕事の在り方が変わっていくことへの危機感も感じました。
一方で、専門家やエンジニアの方と対話しながら進めることで、「自分でも医療に関わるプロダクトづくりに一歩踏み出せるかもしれない」と思えたのは大きな収穫でした。
事務局
最後に、これから参加を迷っている方へ、メッセージをお願いします。
片倉
キャリアの後半に入っている私たちの世代は、これからのキャリアについて迷っている時間があまりないと感じています。
少しでも気になる、何か引っかかるものがあるなら、環境を調整して飛び込んでみる価値は十分にあります。
完成した製品しか見てこなかった人ほど、上流のプロセスを知ることで、視野や役割の可能性は大きく広がると思います。
「何かを変えたい」「次の一歩を考えたい」と思っている方には、ぜひ、おすすめしたい機会です。
