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【開催報告】 日本版SPLプログラム2025 最終成果報告会 ― 「臨床・工学・事業化」の統合が拓く、医療機器開発の新時代 ―

2026年2月22日午後、東京・大手町の「3×3 Lab Future」にて、日本版SPLプログラム(SPL Academy)2025の集大成となる最終成果報告会が開催されました。本プログラムは、米国ハーバード大学医学部関連病院のSurgical Planning Laboratory(SPL)で実践されてきた医療現場を起点とする新しい医療のワークフロー開発を目指した実践的な医療機器開発手法を日本に導入したものです。当日は、約半年にわたりプログラムを実践した第1期受講生14名が、それぞれ情熱を注いで真摯に取組んだ自身の医療機器開発プロジェクトの成果を披露しました。

 

午前中のセッションは、本プログラムのコース長を務める波多伸彦教授(ハーバード大学医学部)による活動報告から幕を開けました。波多氏は、日本における「社会実装を担うリーダー育成」の重要性を強調し、本プログラムが単なる知識の習得ではなく、また、モノとしての医療機器を開発するのではなく、新しい医療のワークフローの開発に伴って必然的に新しい医療機器が必要となり創出されることなど、マインドセットの変革を目的としてきたことを振り返りました。続くティーザーセッション(ショートプレゼン)では、受講生14名が登壇し、一人あたり2分程度の限られた時間の中で、自身の研究やアイデアが「誰の、どのような痛みを解決するのか」というPOV(顧客視点の新しい気づき)に鋭く切り込み、その魅力を提示しました。

続くビデオポスターセッションでは、会場内の大画面モニターを用いてより詳細な開発戦略や課題について議論が行われました。産学医の垣根を越えた多様なテーマが並ぶ中、共通していたのは「First in Human(FIH:ヒト初回投与試験)」を明確に見据えた出口戦略。14件中8件がFIHの倫理審査申請をするという成果を上げました。グローバルで多様な経験を有する講師(メンター)陣との対話を通じて磨き上げられた戦略は、いずれも「机上の空論」ではない、臨床現場のワークフローに即した実効性の高いものばかりでした。

 

午後のハイライトとなったのは、2つの「Fire-Side Chat(エキスパート公開対談)」です。第1部ではアカデミア発のシーズをいかにして「事業化」の軌道に乗せるか、リアルな経営判断の裏側が語られました。 第2部では、アイデアの起案からFIHへと至るまでの「死の谷」を越えるための具体的なアプローチを議論。大手企業とスタートアップ、それぞれの立場から語られる実践知に、受講生をはじめ参加者は熱心に耳を傾けていました。
プログラムの最後には、全課程および卒業課題(Capstoneプロジェクト)を修了した14名に修了証書が各メンターから授与されました。半年間、共に学び合い、支え合ってきた「良質なコミュニティ」は、修了後も日本の医療機器開発を牽引する次世代リーダーたちのネットワークとして、強固に継続していくことでしょう。 日本版SPLプログラム(SPL Academy)は、今回の成果を糧に、今後も医療の高度化と社会実装の加速に寄与する人材を輩出し続けてまいります。

 

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