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医師の孤独な決断を支える伴走。メンターと描く開発のロードマップ

東京科学大学
膠原病・リウマチ内科

細矢 匡 様

事務局

まず、ご自身のご紹介をお願いします。

細矢

東京科学大学の膠原病リウマチ内科に所属している医師です。これまでは基礎研究を多くやってきました。
数年前から医療機器開発を行うようになってきて、医療機器開発は、私にとって非常にこう目新しい、これまでのキャリアにはなかった取り組みになります。

事務局

このプログラムをどのように知りましたか。

細矢

飯田先生からイノベーションプロモーターに情報共有があって、それで知ったのがきっかけです。
私自身がちょうど医療機器開発に取り組んでいるタイミングでもありましたし、応募しようとした動機としては、やはりその医療機器開発というものに対して、いろいろと思うところがあったというのが大きいです。

事務局

参加前、医療機器開発についてどのような課題を感じていましたか。

細矢

一番感じていたのは、医療機器開発はとても孤独な作業だということです。
いろいろな局面でいろいろな決定をしないといけないのですが、その決定をするための相談相手を見つけるのが、いちいち非常に労力がかかるというところがありました。
見つけられない場合は独立で決断しないといけませんし、その決断が本当に合っていたかどうかというのは、ずいぶん先まで行かないと分からないというところがあって、その点は正直、難しさを感じていました。

事務局

実際に参加してみて、メンタリングについてはいかがでしたか。

細矢

医療機器開発には、企画、ニーズ調査、プロトタイピング、事業化、それから臨床理解と、いろいろなプロセスがありますが、それぞれのステップで生じた疑問に対して、必要なタイミングで詳しいメンターの方に相談できるという点は、とても助かりました。
私の場合は特に、その事業化、マネタイズのところで、十分に掘り下げができていないという課題を感じていましたので、すぐに坂口先生にアポイントを取って、そこを一緒に詰めてもらうという経験ができました。
また、医療機器開発という取り組みが、アカデミアのキャリアの中で実際にどういう位置づけになるのか、今後どう考えていけばいいのかという点についても、プログラムの中で相談する機会があり、その点も非常に参考になりました。

事務局

学習チームについての印象を教えてください。

細矢

学習のプロセスとして、座学で入る割合に比べて、体験から学ぶ習得度が圧倒的に高いというのは、学習チームに参加することで非常に強く感じた点です。
さまざまなバックグラウンドの職種の方が、さまざまな開発段階のプロジェクトを持ってきているので、それぞれの人のプロジェクトがどう進行していくのかを見ることができますし、場合によっては、こちらから口を出せるところは口を出して、一部アイデアとして参加させてもらうこともありました。私自身の経験で言うと、石橋さんからはプロジェクトの考え方や進め方について非常に多くのことを教えてもらいましたし、片倉さんからは、ツールの使い方など、かなり実務的な部分をいろいろと教えてもらいました。
講義で学んだことを、自分のプロジェクトだけでなく、他の人のプロジェクトでもすぐに実践する機会があったというのは、私にとっても役に立ちましたし、結果的にチーム全体としてもうまく回っていたのではないかと思っています。

事務局

デザイン思考については、どのように感じましたか。

細矢

医療機器開発に取り組む中で、私にとって一番ギャップになっていたのが、プロダクトデザインですとか、サービスのニーズ調査の部分でした。
ニーズをプロダクトに落とし込むためのプロセスとして、ここまで確立した方法論がちゃんとあるんだ、というのは、このプログラムに出会うまでは正直まったく認識していなかった部分です。
今取り組んでいるプロジェクトは、ある程度前に進んでいますが、今後2つ目、3つ目のプロダクトを考えていく際には、またシーズからデザイン思考をやっていくことになると思っていますので、その意味でも非常に役に立っていると感じています。

事務局

プログラム全体の雰囲気はいかがでしたか。

細矢

一つのチームに複数の専門性を持った人をまとめてくださっているので、それぞれがそれぞれに対して、この部分では教える側にもなれるし、この部分では教わる側にもなれる、という関係が自然にできていたと思います。
私自身も、帝人ファーマの石橋さんやグーグルの片倉さんをはじめとして、他の参加者からいろいろと教えてもらうことが多く、その点はとても良かったと感じています。

事務局

国際的な視点について、何か印象に残ったことはありますか。

細矢

国内と海外では、考え方や開発の進め方、スピード感に違いがあるということを、具体的な議論を通じて実感しました。
プログラムの中で先生方から伺った話や、他の開発チームの事例を聞く中で、タイムラインの考え方なども含めて、自分の見えている範囲が少し広がったように感じています。

事務局

准教授・教授クラスの方が参加する意義については、どう思われますか。

細矢

アカデミアで生きていくためには研究が必要ですが、研究の種というのは無限ではないと思っています。
一つのテーマに固執してそこから広げていくやり方だけでは、これからのアカデミアではなかなかサバイバルしにくいのではないか、というのが今の見解です。
常に新しい分野に取り組んでいくことが、准教授になってからもまだまだ必要だと思っていますので、こうしたプログラムで新しい考え方や人に触れることには意味があると感じています。

事務局

最後に、このプログラムを振り返って一言お願いします。

細矢

医療機器開発を通じて、いろいろな人と話をし、考える機会を持てたことは良かったと思います。
自分にとっては、頭を動かし続けるための、非常に良い経験になりました。

 

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